2017年9月7日木曜日

お客様は、神様です。そして神様は、、、


お客様は、神様です。 
そして神様は、沈黙をもって答えてくださる。

 

「お客様は、神様です」 演歌歌手の故・三波春夫の言葉です。
1972年の流行語だそうです。
本来は、聴衆とステージに立つ演者という構図から生まれたフレーズでしたが、やがてこのフレーズは独り歩きし、日本の過剰なサービス精神を象徴する言葉として、知れ渡るようになりました。「人間尊重が薄れたことが背景にあってこの言葉が流行ったのではないか」と三波さんは言っています。

過剰な要求を突きつけるクレーマーや過労死問題が取り沙汰されて、再びこのフレーズを耳にする機会が多い現代日本を、三波さんが見たらどう思うだろうか。

しかしこのフレーズは、見方を変えると、
「お客様は神様のように、こちらの見えない所の手抜きも努力の無さをも見抜く。それに対して沈黙をもって答えてくださる」 という意味もあるそうです。

哲学的ですが、ラーメン屋の例でいうと、ラーメンの仕込みを私たちは見ていませんが、食べたらわかります。誠心誠意、丁寧につくったかどうか、が。 
だから見えないものを見抜いた上で、不味ければ二度と来ないし、美味しければまた来てくださる。 「お客様は神様です」ということは、売り手側の姿勢を一瞬にして見抜かれて、同時に、沈黙で評価されること。ではないでしょうか。

2017年9月1日金曜日

初対面の医師に何がわかる


長い間かけて自分流に成功しているのを初対面の医者に何がわかる。

 (松田道雄)

     ◇

 赤ちゃんの小さな変調に不安をつのらせる母親を、小児科医松田道雄さんは、こう言って激励した。同時代の社会問題にも真正面から向きあい、子育てにあたっての母親の心構えや集団保育の意義を熱く語った。症例解説の後にはいつも「心配しなくていい」と書きつけるのを忘れなかったという。近くに子育てのベテランがいない若い夫婦を、戦後長く支えつづけた「育児の百科」から。
赤ちゃんとともに生きる母親が、その全生命をつねに新鮮に、つねに楽しく生きることが、赤ちゃんのまわりをつねに明るくする。
赤ちゃんの意志は、もっと大きな目標に向かって、鼓舞させねばならぬ。